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STETSONを代表する4つの帽子| WHIPPET・STRATOLINER・OPEN ROAD・STETSONIAN
STETSONを代表する4つの帽子
WHIPPET・STRATOLINER・OPEN ROAD・STETSONIAN
ウエスタンハットの元祖としても知られる1865年創業のアメリカの帽子ブランド、STETSON(ステットソン)。ウエスタンハットだけでなく現在の中折れ帽などのドレスハットも多く作っていて、長い歴史の中には、現在まで名前を残す数多くの名作があります。
その中でもWHIPPET(ウィペット)、STRATOLINER(ストラトライナー)、OPEN ROAD(オープンロード)、STETSONIAN(ステットソニアン)は、ヴィンテージハットの世界でもよく知られる代表的なモデル。
これらの帽子は、長い販売期間の中でクラウンの高さ、ブリム幅、フェルトの質感、クリースなどが変化しており、年代や仕様によっては異なるモデル同士が非常によく似ていることもありますので、作られた時代背景なども合わせてご紹介します。
4つのモデルを簡単に整理すると
| モデル | 大まかな位置づけ | 特徴として知られるもの |
|---|---|---|
| WHIPPET | アメリカのドレスフェドラを代表するモデル | 太めのリボン、パイピングされたブリム、端正なフェドラスタイル |
| STRATOLINER | 航空旅行の時代を象徴する軽快なフェドラ | 細めのリボン、パイピングブリム、軽快で流線型の印象 |
| OPEN ROAD | ウエスタンと都市型ハットの中間を行くモデル | 細めのリボン、やや広めのブリム、現在はキャトルマンクリースが象徴的 |
| STETSONIAN | STETSONの伝統的なドレスハットを象徴するモデル名 | 時代による違いが大きく、オープンクラウンのクラシックな仕様も存在 |
※上記はモデルの歴史的な性格を分かりやすく整理したもので、年代・製造時期によって異なる仕様があります。
WHIPPET ― アメリカンドレスフェドラの代表格
WHIPPET(ウィペット)は、1930年代後半に製造が始まったSTETSONのドレスフェドラを代表するモデルのひとつで、アメリカらしい端正なフェドラスタイルを象徴する存在として知られています。Whippetとはイギリスの競走犬のことですが、躍動する流線形の姿からインスピレーションを受けて作られた帽子と言われています。
幅のあるグログランリボンと、縁をリボンで巻いたパイピングブリムの組み合わせが印象的で、スーツやジャケットにも合わせやすいクラシックなスタイルが特徴。
現在アメリカで展開されているWHIPPETは、ピンチフロントのティアドロップクラウンを採用していますが、ヴィンテージ品まで含めるとブリム幅やクラウン形状には違いがあります。
Vシェイプと呼ばれる前ツマミが細く鋭角に絞り込まれ、上からいるとVに見えるようなクラウンも有名です。
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STRATOLINER ― 空の旅の時代から生まれたフェドラ
STRATOLINER(ストラトライナー)は1940年に登場したモデルです。
名前の由来となったのは、当時登場した世界初の与圧キャビンの旅客機銀色の期待も美しいBoeing307通称「Stratoliner」。航空技術が大きく発展し、空の旅が新しい時代を迎えようとしていた時期に、その流線型で近代的なイメージを帽子へ重ね合わせて誕生しました。
伝統的なフェドラよりも軽快で、都会的な旅行者を思わせるスタイルとして展開され、細めのリボンやパイピングブリム、飛行機をモチーフにしたピンなどがSTRATOLINERを象徴するディテールとして知られています。
現在のアメリカ製STRATOLINERはティアドロップ型に成形されていますが、ヴィンテージにはオープンクラウンのものもあり、好みのクリースを付けてかぶることができました。
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OPEN ROAD ― ウエスタンと都市をつないだ帽子
OPEN ROAD(オープンロード)は1937年に登場した、STETSONを代表するモデルのひとつです。
現在では中央に一本の谷と左右のくぼみを入れたキャトルマンクリースが強く印象付けられていますが、登場当初からこの形だったわけではありません。
初期のOPEN ROADはオープンクラウンの状態で販売され、購入者の好みに合わせてクラウンを成形する帽子でしたが、1948年以降、現在のキャトルマンクリースを施した仕様が定着していきます。
ウエスタンハットの雰囲気を持ちながら、ブリムは本格的なカウボーイハットほど大きくなく、都市部でも着用できるシティウエスタン。その独特のバランスがOPEN ROADの大きな魅力で、歴代大統領のドワイト・D・アイゼンハワー、ハリー・S・トルーマンやリンドン・B・ジョンソンなどにも愛された帽子としても知られます。
STRATOLINERとOPEN ROADは何が違うのか
この2モデルは、ヴィンテージSTETSONを見ていると特に違いが分かりにくい組み合わせです。
現在の商品だけを見ると、STRATOLINERはフェドラ型、OPEN ROADはキャトルマンクリースという違いがはっきりしています。しかし、両方をオープンクラウンの状態で比べると、非常によく似た個体があります。
一般的に見られる傾向
STRATOLINERは、OPEN ROADに比べてやや細めのブリム、軽く柔らかなフェルト、フェドラらしいスナップブリムなどが特徴として語られることがあります。
一方のOPEN ROADは、やや広くフラットなブリムと、ウエスタン寄りのしっかりしたフェルトを使用する個体が多く見られます。
ただ、STETSONは長い期間にわたって両モデルを製造しており、年代やグレードによって仕様が変化しています。そのため、ブリム幅やクラウン形状だけでモデルを判別できるような絶対的な基準はありません。
STRATOLINERは、航空旅行の時代を背景にした軽快で都会的なフェドラとして。OPEN ROADは、アメリカ西部のハット文化と都市生活をつなぐ帽子として。帽子のデザインとしてよりも、それぞれ異なるイメージを持って展開されたモデルとしての意味合いが強い帽子とされていますが、いまだにこの2つの違いについては論争が絶えないようです。
STETSONIAN ― STETSONのドレスハットの伝統
STETSONIAN(ステットソニアン)も、STETSONの長い歴史の中に登場する代表的なドレスハットの名前です。
WHIPPETやSTRATOLINER以上に時代による形状の違いが大きく、「STETSONIANとはこの形」と一つのシルエットだけで説明することは困難です。
一般的には、他の3つの帽子にくらべ、よりクラシックなデザインで素材も1ランク上のものが採用されることが多い帽子です。
STETSON創業160周年を記念して登場したSTETSONIANでは、高さのあるオープンクラウンにパイピングブリム、幅広のグログランリボンを組み合わせ、かつて購入者や帽子店が好みに応じてクラウンを成形していた時代のドレスハットを思わせる仕様が採用されています。
「オープンクラウン」という帽子の楽しみ方
現在では最初からクラウンの形が完成した帽子が一般的ですが、かつてのフェルトハットには、丸いクラウンのまま販売し、購入時に好みの形へ成形するオープンクラウン仕様も多くありました。
センターデント、ティアドロップ、ダイヤモンド、キャトルマンなど、クリースの入れ方によって同じ帽子でも印象は大きく変わります。
STRATOLINERとOPEN ROADのヴィンテージを見比べた際に「同じ帽子のように見える」ことがあるのも、この文化を知ると納得しやすくなります。
現在のSTETSONと日本製モデル
歴史的なSTETSONのモデル名は現在も受け継がれていますが、現行モデルが過去の特定年代の帽子をそのまま再現しているとは限りません。
素材、クラウンの高さ、ブリム幅、硬さなどは時代や生産国、企画によって変化します。
日本で企画・生産されるSTETSONにも、WHIPPETやSTRATOLINERなど、ブランドの歴史的なモデルを背景にした帽子があります。ヴィンテージの雰囲気を感じさせながら、日本でかぶりやすいバランスに仕上げられているものもあり、昔のSTETSONと見比べてみるのも面白いところです。
アメリカのファッション、ウエスタン文化、航空旅行の発展、そして帽子を自分好みに成形してかぶっていた時代。それぞれの背景とともに長く受け継がれてきたことが、これらのモデルが現在も帽子好きやコレクターを惹きつけている理由のひとつなのでしょう。
当店でもWHIPPETやSTRATOLINERなどの日本製モデルが入荷した際には、現在の帽子としての仕上がりと、こうした歴史的な背景の両方をご紹介していきたいと思います。
- 2026.10.10
- 14:10
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