帽子の世界、帽子屋の知恵袋
秋冬のフェルト素材について
秋冬の帽子素材として欠かせないフェルト。
フェルトとは、羊毛や獣毛、合成繊維などを織らずに、
熱・水分・圧力を加えて繊維同士を絡ませ、圧縮・凝固させた不織布状の素材の総称です。
起源には諸説あり、
ノアの箱舟の床に敷き詰めた羊毛が、雨水と動物たちの体温、踏みつけによってフェルト化した話や、
聖クレメントが敵に追われた際の足の痛みを和らげるために靴底に羊毛を敷いて走り続けた結果、フェルト状になっていた話などが伝えられていますが、いずれにしても、その歴史は紀元前6500年頃まで遡るとも言われ、
フェルトは人類最古の繊維製品のひとつとされています。
フェルトは一般的な衣類素材としては多くありませんが、
帽子においては非常に理にかなった素材です。
立体感が重要な帽子にフェルトが多用されてきた理由がここにあります。
一見すると同じように見えるフェルト帽子ですが、
実は原料となる毛の種類によって、
かぶり心地・表情・耐久性、そして価格まで大きく異なります。
主なフェルト素材は、
ウール・ラビット・ビーバー。
フェルト帽子の魅力を知るうえで欠かせないのが、この「フェルトの種類」です。
羊毛を原料とした、もっとも一般的なフェルト素材です。
ウールフェルトは丈夫で扱いやすい反面、繊細な表情は出にくい素材です。
気軽に被れる一方で、艶感やエイジングを楽しむタイプではありません。
ただ近年は、ラビットやビーバーの価格高騰を背景に、安定的なウールとのミックス素材が増えています。
ウール100%のものでも非常にきめ細かくラビットファーフェルトのような質感を持つ素材も登場しており、今後注目度の高い分野です。
兎毛(ラビット)を使用したフェルト。 繊維が中空構造のため軽く、成形性にも優れ、 直毛のためフェルト化しやすいため ミドルクラスから高級ラインまで幅広く使われています。 近年価格が高騰してきたとはいえ「価格・品質・見た目」のバランスが非常に良く、
初めての本格フェルト帽子としても最適な素材です。
表面加工の違いによって、
毛並みの長いメリュージーヌ・ビーバー(ビーバーの毛ではありません) 、
やや毛足のあるベロア、 短めに刈り込んだファープレーン、ファープレーンをさらに磨きこんだアンテロープなど、
表情のバリエーションも豊富です。
ビーバーの毛を使用したフェルトは、
歴史的にもトップハットなどに多用されてきた最高級素材です。
かぶった瞬間に分かる軽さと、吸い付くようなフィット感。
ヌメリのある肌触りと、深みのある発色は別格です。
繊細な素材感を持ちながら耐久性にも優れ、
価格は高くなりますが、
10年、20年、一生ものとして付き合える帽子素材と言えるでしょう。
近年はインフレや動物愛護の観点など、
さまざまな要因からラビット・ビーバー素材は年々希少性を増しています。ビーバーフェルトは取り扱いを中止するメーカーもあり、
帽子屋としても悩ましい状況ですが、
素材の選択肢や価値観も時代とともに変化していくのかもしれません。
秋冬のフェルト素材について|フェルト帽子の素材別特徴
防寒性・防風性・成形性に優れ、古くから世界中で帽子づくりに用いられてきた伝統素材です。
フェルトとは?|世界最古の繊維素材とも言われる理由
なぜ帽子にフェルトが使われるのか
フェルト帽子は「素材の違い」で大きく変わる
(過去にはヌートリア、セルベルト、ビキューナ・カシミア、ミンクミックスなども使われていました)
■ウールフェルト|もっとも身近なフェルト素材
特徴
向いている帽子
帽子屋的ひとこと
ウールフエルトの帽子
その他のウールフェルトの帽子はこちら
■ラビットフェルト|バランスの良い主力素材
特徴
向いている帽子
帽子屋的ひとこと
ラビットファー素材の帽子
その他のラビットファーフェルトの帽子はこちら
■ビーバーフェルト|フェルトの最高峰
特徴
向いている帽子
帽子屋的ひとこと
・ビーバー素材の帽子
その他のビーバーフェルトの帽子はこちら
- 2026.02.11
- 03:24
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